jibun09の日記

長々とした日記を書いています

6月22日

先週末は近所のカフェで本読んで、吉原のカストリ書房が期間限定で京都に出店していたので寄って、『東京最後の異界 鶯谷』を買ってきた。店主さんとも話していて、売れ行きが好調みたいで京都にまた来れるかもしれない、とのことだった。ああいうお店が近くにあるのは嬉しい。ぜひまた来てほしい。

kastoribookstore.blogspot.jp

この間は『夜は短し歩けよ乙女』を観てきた。


『夜は短し歩けよ乙女』 90秒予告

なんか色々むずがゆくなったり、湯浅節が炸裂した感じの後半シーンでニヤニヤしたり、知ってる京都の街並みがでてきてちょっと嬉しくなったりした。星野源の声もハマってたし、キャラクターデザインが中村佑介で脚本が上田誠で、主題歌がアジカンでってある一定のファン層に向かって出来過ぎてるくらいの布陣な気がするけど、それぞれがバチッとはまってる感じがした。

むずがゆく、というのは学園祭のシーンで、あのゲリラで演劇をやって盛り上がるアナーキーな感じとかが自分の学生時代を思い返す感じがしてちょっとしみじみしてしまった。ああいう面白さってちょっと偏ってる感じがあって、当人たちはすごく必死だけれどどう考えても取るに足らないことで、一歩大学の外に出てしまったらその価値観はきっと通用しなくて、けれど当時はそれが自分を取り巻く全てだという、あの感じ。そういうのを思い出してちょっと切なくなってしまった。

実は原作は途中(古本市)までしか読んでいなくて、そこまではああ忠実に映像化するなーと思いながら観ていた。後半、乙女が先輩の家に向かう一連のシーンはよかったなあ。たかだか数キロの距離を歩いてボロアパートにたどり着く、というだけのことをあれだけの熱量で描けてしまうところに湯浅節をびんびん感じて興奮した。

京都の街が出てきて嬉しいというのは、知っている場所や馴染みのある場所がテレビに映るようなミーハー心であって、だからもし自分が京都で大学生活を過ごしてこの作品を観ていたらどんな気分になったかと想像するとちょっと可笑しかった。

アパートの部屋でのやりとり、最後の進々堂のシーンも良かった。そうだ、あの夜のことを聞けばいい。そういう風に思えてそれが楽しみなんて、素敵なことだよなあと思う。その流れでアジカンの曲が流れるというのは、ちょっとずるいよね。 

東京最後の異界 鶯谷 (宝島SUGOI文庫)

東京最後の異界 鶯谷 (宝島SUGOI文庫)