jibun09の日記

長々とした日記を書いています

KICK THE CAN CREW『イツナロウバ』(ROCK IN JAPAN FES 2008)

KICK THE CAN CREWの『マルシェ』を聴いていたのは中学時代で、MCUが「来年で30です」と言っていたなーと、自転車に乗っているとふと思い出す。彼はこの間の復活ライブで「来年で42」と歌っていたし、なんなら僕は今年で30だ。当時の彼を追い越してしまっているというのが信じがたい。

KICK、すごく好きだったし本当に『イツナロウバ』は何回聞いたかわからない。僕にとって日本語ラップを聴く入り口だったし、初めてカラオケで歌ったのも無謀にもこの曲だった。テーマは「夏」だけど「夏」と言わずに夏を表現する、みたいな言葉遊びルールもあってすごく好きだ。

太陽と地面正面衝突 気温も上がり当然今日も

抑えきれぬ冒険衝動 誰もが戻る少年少女

海岸を流れる空き瓶の中 ゆっくり火をつける焚火の中

まだ誰もいない空き地の中 でもそう君は君のまま

身を焦がすほどの熱を気にもとめず

太陽以外何も求めず 息継ぎもせず 瞬きもせず

ひたすら遊ぶ働きもせず

徐々に次第に弱った紫外線 まだ何も終わっちゃいないぜ

ワンサゲン 騒げ いくぜ朝から朝まで 朝まで

その後、連続シングルリリースとかベスト盤を出し始めた頃からあまり聴かなくなっていたのだけれど、大学生になって、ROCK IN JAPANで初めて復活した時の動画を見つけたときは家で叫んだ。

まず客の沸き方がすごい。イントロで後方からダッシュする人がたくさんいる。KREVA以外の2人のバース始めの「待ってました」感がにじみ出る歓声。あとMCUのフローが格段にカッコよくなっている。

一秒も無駄なことはなく 身にまとう汗が物語る

終わらない短い時を 我を忘れて小さい星の中で

一人一人 語ったり 愛しい人に告ったり告られたりするその間に

無情にも時は 過ぎ去ってしまうのみだ

だがまた晴れたらこの仲間で この時間に そうこの場所で

音源とか昔のライブでは、この感じは出ていない。LITTLEも本当にキレがいい。KREVAはこの時のソロの特徴なのか、ちょっとフローが平坦な感じがするけどやっぱり3人揃うと圧巻だ。

この数年後に同じフェスでKICKを見た時は嬉しかったけど、この時はKREVAのライブ終わりにKICKがサプライズ登場することは既に「お約束」感があって、一昨年の大阪ワンマンも行ったけど、やっぱりこの2008年の復活の勢いにはかなわなかった気がする。聴いていた当時を思い出して懐かしくもなるけれど、どうしても「あんなにリアルに響いてたのにちょっと今は距離がある」感じがどこかに残ってしまう。別の曲だけど『sayonara sayonara』とか『アンバランス』を身が切れるような思いで聞いていた当時は文字通り「中二」だったし、もう20年近く経つので当たり前といえば当たり前なのだけど。

噂によると今年、新曲をつくるらしい。いまKICKがつくる曲はどんなになるんだろうか。安易に当時の盛り上がりを追ったりせずに、年を取ったなりの表現が聞けたりすると楽しいんだけどなと思う。あんまりすごい期待はしてないけれど、こういうことがあると自分が年取るのも悪くないなと思う。