ソワレ、ウイスキーコーヒー、遭難フリーター
■
今日は前に働いた職場の同僚の人と仕事終わりに飲みに行く予定があって、木屋町にきた。待ち合わせは19時半だったけど20時くらいになるということだったので、フランソアという喫茶店に行った。平野勝之氏がTwitterでつぶやいていて知った店だ。店内の雰囲気と店員さんの制服の雰囲気がマッチしていてタイムスリップしたような感覚になるけど、店員さんから明らかに「大学生のバイトです」感が出ていてなんだかそのギャップがおもしろかった。店の中は落ち着く感じで、ブログを一本書いた。
元同僚の人と合流して、沖縄料理の店で飲む。今の仕事の話とか前の職場の話とか、趣味の話とかいろんな話をした。その人はぼくよりたぶん20くらい年上で、というのもちゃんと年齢を聞いたことがなくて、とにかくぼくより年上だ。その人も職場をこの春に辞めていて、同じ業界で仕事をしてきていまどういうことを考えているのかとかを聞いてみたかった。
話を聞いてると、「このままでいいんだろうか」とか「仕事にぐーっと打ち込めるといいだんけど、そういう感じでもない」みたいな、ぼくも今まさに言っているようなことが普通に出てきて、ああ年齢とか関係なく、そういう状況というのは起こるんだなということをなんとなく感じた。
泡盛を飲んで、駅で別れた後一人木屋町をぶらぶら北上して三条京阪の駅から帰った。四条から乗ってもよかったけど、なんかまっすぐ帰りたくなくてぶらぶら歩いた。夜の街の猥雑な感じはわりと好きだ。客引きのツンツンしてる感じの黒い男がいて、露出の多い気だるそうな女がいて、ふらふらになって歩くおじさんと若者がたくさんいる。その合間を縫って、素面な気分で歩く。
コンビニに寄ってコーンスープを買って、帰ってきていま飲んだ。
雀と鳩と鴉
昨日川沿いでぼーっとしていたら、鳩に餌をあげてるおじさんがいた。チューハイ片手にスナック菓子を地面に蒔いて、踏んで潰して鳩の口に入るサイズにしていた。そこにおじさんの知り合いらしき人がやってきて、おじさんは去って行った。
地面には潰されたお菓子と潰されてないお菓子が転がっていて、そこに鴉がやってきた。鴉はクチバシが大きいので潰れてないサイズのも食べられる。でかい身体を揺らしながら、一気にふた粒くらい咥えていく。鳩はというとちょっと居づらそうにはしているけど、初めから鴉の狙っているサイズのは眼中にない。小さいサイズのだけクチバシでつついている。
そこに雀がやってきた。雀は雀で、鳩が食べてるのよりさらに小さい屑をつついてまわっている。図体のでかい鴉と、中くらいの鳩と、小さい雀がぴょんぴよん跳ねながら餌をつついている。なんか月並みだけど、ああ、それぞれの分というか生きる場所があるんだなあと思った。
鳩はたぶん、もっと大きいサイズのを食べれた方がよかったのにとか、そういことは考えないんだろうなと思う。だってはじめからクチバシの大きさが違うのだから。
もちろん撒かれた餌には限りがあるわけで、クチバシの大きさでたくさん食べられたり食べられなかったりするのかもしれないけど、身体の大きさも全然違うんだからトータルではバランス取れてるんではないだろうか。
Facebookで大学時代に仲のよかった友人がバリバリ仕事してる様子を見てなんか憂鬱な気分になったりするけど、あーぼくらはたまたまある餌場で一緒になった鳩と鴉みたいなもんなのかもなーとかいうことを考えた。
当時は自分たちを似た者同士だと思っていて、確かにある程度似てる部分もあったのかもしれないけど、実はクチバシの大きさが全然違っていたのかもしれない。
ぼくはいまあんまりバリバリ仕事をしていなくて、でもそういう生活にちょっと憧れるというかそこまで仕事に情熱を傾けられることを羨ましく思ったりもする。自分はこの年でろくに経験も積めてないんじゃないだろうかと焦ったりもする。大学時代はあんなに通じてた感じがしたのに、自分は間違ってたんだろうかとかもっと違う生き方があったんじゃないだろうかとか思ったりする。
でも鳩と鴉だったのだとしたら仕方ないのかもれない。いやでも同じ人間だよなとも思うし、違う人間だよなとも思う。
■
東京に行ってきた。目的はPerfumeのライブを観るためだ。
ライブは楽しかった。久しぶりに会う友人と一緒に行けることになったのもよかった。いろいろあって切ない気持ちになったりもしたけれど、それはそれで、なんだかよかった。飲みすぎてなぜかシュークリームを買って宿について一服して、翌日あてもなく歩きすぎて疲れ果てて、指定席の時間より早い自由席に乗ってやろうと改札を通ったけど駅員に聞いたらそれはできないと言われて東京駅構内で2時間待機したりした。普段は買わない新刊の漫画を買ってカフェで読んで時間をつぶした。常温になったシュークリームを駅の通路で食べた。
なんか、何でもやってみたらいいのではないかと思った。
やってみたら色々想像してたのと違うことが如実にわかって「ああーこれが現実か」って思うかもしれないし、失敗したなーと思うこともあるかもしれないけど、それだけのことだ。
日常と違う場所に来ると、そういうのが浮き彫りになってきておもしろい。